【3Dマダミスをつくる】全力で語る開発経緯
こんにちは。VRTRPGサークル「ぐだぐだぶとん」代表の逆路です。
3Dマーダーミステリー「煤の悪魔の殺人」クラウドファンディング開始前夜となりました!
今回はこれまでの道のりと、本プロジェクトの目指すところについて全てを曝け出して、全力で語らせて頂きます!
VRTRPGサークル「ぐだぐだぶとん」代表。東京大学工学部建築学科在籍。
3Dマダミス「煤の悪魔の殺人」では、監督・シナリオライター・3Dモデラーなどを務める。
俺達のTRPGが下手すぎる
弊サークル「ぐだぐだぶとん」は2018年に普通のTRPGサークルとして発足しました。「何か作ってみたい」というところから始まり、コミックマーケット94にシナリオを出したのですが、ここで一度躓きます。
ニコニコ動画で見たTRPGは面白いはずなのに、初心者の友人を集めて遊んでみるも下手すぎてうまく進みません。
ラスボスが待つ館に火を放つ無粋なことをしたり、いざクライマックスという時に友人が布団で寝落ちしていたこともありました。(これが「ぐだぐだぶとん」の名前の由来です)
初心者でも遊びやすい「VRTRPG」を作ろう!
「初心者が遊びやすい」TRPGにする手段として、我々は「3Dで物語の舞台を再現すること」を選びました!!
視覚情報を共有することで状況が掴みやすく、誤解も生まれにくくなるのが最大の強みですね。
アバターでの演技や歩き回っての探索も楽しいですし、環境ストーリーテリングによる明言しない描写も可能になります。
clusterでVRTRPGをつくる
そして2020年にVRTRPGサークル「ぐだぐだぶとん」を再結成し、制作にあたって、日本製VRSNS(メタバースプラットフォーム)「cluster」を採用しました。
2020年はVRTRPGも未開拓で、自分のゲーム制作経験もなく、clusterもワールド制作機能が出たばかり。そこから怒涛の勢いで修行と開拓を進めてきました!!
「最高の主人公体験」としてVRTRPGを実現した
弊サークルのVRTRPGの特徴は、VRTRPG専用としてシナリオとワールドを作り、「物語の舞台を完全再現した3D空間を、自分で冒険できる主人公体験」です。
特に自信のある3作では「TRPGをVRで遊ぶと自由度がなくなってしまうのでは?」という課題を解決する手法をそれぞれで開拓し、高いクオリティの作品として公開することで世に提示してきました。
しかし、ここまで到達しても新たな難関が待っていました。
難関その1:ゲームの面白さが評価されるには【チームのこと】
我々は全力で「面白い」ゲームを作ってきました。その中でも2023年秋に公開したVRTRPG「静寂に捧ぐ祝詞」は、VR×物語×マルチプレイの特徴を非常によく捉え、体験者の二者関係を盛り上げる作品になりました。
これまでの開拓と実現してきた「面白さ」の評価を受けたいと思い、様々なコンテストに応募しましたが、大きく苦戦することになりました。
一般的なコンピュータゲームの土俵ではなくVRSNSで制作していること、VRとTRPGの両方の理解を審査側に要求すること、VRもTRPGもまだ成熟しておらず長時間コンテンツを評価できないことなどが原因でした。
多少の賞は取れましたが、「VRでTRPGができてすごいね」以上の評価は得られず、我々の開拓は理解を得られないまま終わりました。高いクオリティのVRTRPG制作を長く続けていくためには、こういった点も課題になってきます。
難関その2:文化を広めるためには【観戦者のこと】
そしてまた別の課題として、「最高の主人公体験」を実現したVRTRPGはまだ「最高に楽しく観戦できる」コンテンツではないことに気づきました。
VRゲームやVRSNSにはカメラワークの欠如が大きかったのです。
その後、私はVRマダミスサークル「アベルノート」の一員としてVRマダミス「タイムピースにジャムを添えて」を制作し、メタバースプラットフォーム「cluster」に公開しました。
ここでは3Dでマダミスを遊ぶための優れたシステムを開発し、更に体験の様子を美しく撮れるゲームマスター用システムも実装しました。
ここまでは実装したのですが、clusterの技術限界でどうしても操作が複雑になったり、作品全体でシステムを活かせるようになっていなかったりとまだまだ課題は存在しました。
難関その3:プレイヤーがより快適に遊ぶためには【PLのこと】
「まだまだVRTRPGは遊びづらい」というのも、日に日に改善はされていますが未だに課題として残っていました。
そもそもGMが必要な時点でちょっと面倒ですし、VRTRPGを遊ぶためにメタバースプラットフォームのアプリを入れるのも面倒。入れたと思えば、プラットフォーム側の仕様変更や通信不良に悩まされることも多々あります。
我々はプレイヤーのことを第一に考えて制作しており、この課題を更に乗り越えていかなければならないと感じていました。
次に進むために:Steamで3Dマダミスを作ろう!
これらの課題を乗り越えて次に進むため、弊サークルは『映画の主人公体験』をコンセプトに、Steam向けの3Dマダミスを作ることにしました!!!
第一と第三の解決:Steam向けの制作
まず、clusterから離れてSteamに移行する決断をしました!
これでプラットフォームの強制的な仕様変更である日突然ゲームが壊れることもなくなりますし、プラットフォーム側のチュートリアルも要りません。通信も4人用ゲームに最適化できます!!
プレイヤーに安心して快適なゲームを提供できますし、応募できるコンテストの幅も広がって嬉しいですね。
もちろんプログラマ軸にチームを再編し、ゲームの水準を更に上げる必要が出てきますが、今までの制作経験を活かしてうまくやれています!
第二の解決:『映画の主人公体験』をコンセプトに
そして、マダミス体験の全てを圧倒的没入感の3Dで体験でき、それを綺麗な映像として視聴できるように『映画の主人公体験』をコンセプトに掲げました!
カメラシステムも大幅に改善され、終始ほとんど操作せずに映画を見るように観戦を楽しむこともできれば、豊富な機能を用いて参加者の体験をより美しく撮影することも可能になります。
真相解説や感想戦もゲーム内にその舞台を用意しているので、体験全体を余す事なく届けることができるようになっています。
ただ「ゲームを遊ぶ」だけではなく、「演じる・撮る・語る・家に帰る」までが我々の提供する「映画の主人公体験」です。
次のステージへ、我々なら行ける
・本気でゲームを作って売る覚悟がある
・過去の開発経験で実力もある
・「映画の主人公体験」を3Dマダミスで実現するビジョンも見えている
これが、今まで何作もの開発で理論の構築や準備をしてきた我々の強みです。
もし我々以外がこのレベルの3Dマダミスに挑戦しようとすれば、少なくともあと5年は必要になるでしょう。
次のステージへ進めるよう、みんなが憧れる3Dマダミスを実現できるようにぜひご支援頂けると幸いです!!!!!!!!!!!!
最後に
これまで、約4年半もVRTRPGやそれに伴う開発を全力で続けてきましたが、我々は現状をしっかりと見つめ、満足してはいませんでした。
VRTRPGというコンテンツがいつか流行ることは明らかだけど、いつまで続ければ良いんだろうと、底知れぬ不安や劣等感に毎日悩まされています。
ですが、もう一度全力で戦い、今度こそ良い評価を得て「やってよかったね」と言えるくらいに幸せになりたいと思います!!!
・・・
言ってしまえば我々は「インディーゲーム」です。「ゲームを売る・買う」だけのカタい関係でなく、互いのことを理解して、共に3Dマダミスの夢を描くことができたなら、それは何よりも嬉しいことだと思います。
最後だけ個人的な話になりましたが、これで「開発の経緯」は以上です。
お相手は、逆路でした!