煤の悪魔の殺人ゲーム実況ガイドライン
3Dマーダーミステリー「煤の悪魔の殺人」では、ゲーム実況に関して以下を許可・禁止しています。
- ゲームプレイの生放送を禁止し、動画投稿を許可する。ウォッチパーティーは配信者が既に本作をプレイ済である場合のみ可能。
- 動画内にエンドロールを必ず映すこと。動画を複数本に分けて投稿する場合は、そのうちの1つに含まれていれば良い。
本規約の意図
弊サークルは以下の意図で本規約を設定しました。
ここからは、本規約がこの意図をどのようにして実現していくのか、我々の考えをご紹介します。
- ゲーム実況を介して視聴者にゲームの面白さを知って貰い、ゲームを買って遊んで貰いたい
- 3Dマーダーミステリーを持続可能なコンテンツにしたい
動画の始めに:未プレイの視聴者の判断材料を
【生放送の場合】
マーダーミステリーは謎解きをメインに据えており、二周目プレイが不可能であるため、実況者は生放送の始まりを未プレイの状態で迎えます。
そして、「実況者の配役は犯人か否か」という重大なネタバレがゲームを始めてすぐに流されます。これ以降を見てしまうと、未プレイの視聴者はもう自分で遊ぶことはできません。
つまり、生放送のゲーム実況には、未プレイの視聴者がゲームを購入するか判断する材料や時間が無いのです。
【動画投稿の場合】
動画投稿であれば、体験後の感想コメントを編集によって動画の最初に持ってくることが可能です。
これなら、未プレイの視聴者が既プレイの実況者の感想を聞き、ゲームを購入するかの判断材料にできます。
「このゲームは〇〇が良かった。自分で体験してから見て欲しいです!」というレビューの影響力は強大です。「して欲しい」という意思を伴った声には強い力があるのです。
実況者と視聴者が一緒に楽しめるように
「実況者が遊ぶから自分もその作品を遊ぶ」という方もいますよね。
これは推しと同じ体験がしたい(同じ物を遊びたい、同じ時間を過ごしたい、同じ状態でありたい)という「同化」として見ることができます。
この「同化」をもとにして、実況者と視聴者が一緒に楽しめる方法を考えてみましょう。
【生放送の場合】
TRPGやマーダーミステリー配信でよくみられる配慮として、最初にゲーム実況者が「これ以降はネタバレになるので大丈夫な方だけ見てくださいね」とコメントします。
ですが、その場でブラウザバックをする未プレイの視聴者はそれほど多くありません。この理由を「同化」の観点で考えてみましょう。
生放送で現れる実況者は未プレイの状態ですから、遊ばずとも「同じ状態になる」という「同化」の条件は満たされていると言えます。
実況者は「これ以降はネタバレに…」とコメントするものの、視聴者数や同時接続者数がゲーム実況者の進退に関わる都合上、ネタバレを踏んででも引き続き視聴して欲しい思いがあります。
そしてゲーム制作者は当然ゲームを買って遊んで貰いたい思いがあります。ここで未プレイの視聴者の取り合いが起こる訳ですが、大多数の視聴者が選択するのは実況者側に寄ること、つまりは「ゲームを買わずにゲーム実況で消費すること」です。
【動画投稿の場合】
一方、配信形態をプレミア投稿にして、プレミア投稿中に実況者がコメントを残すことを考えたらどうでしょうか?
「この時はこんなこと考えてて〜」「このシーン良かった!」とゲームプレイを振り返り、感想を視聴者と共有しながら視聴体験を進めていくわけです。
これであれば「同化」の対象はコメントを残している既プレイの実況者になり、ゲーム実況は既プレイの人達で感想を共有する場になります。
そして、「ゲームを遊ぶ」「プレイを振り返る」の二度手間になるものを楽しい体験にしてみせる強度を、「映画の主人公体験」をコンセプトに掲げた3Dマダミスは持っているのです。
もちろん即座に既プレイの人が100%の場になるかと言われると難しいでしょう。ただ、「既プレイの視聴者が主流である。或いは時間をかけてそういう文化になっていく」というだけで我々は安心してゲームを作り続けられるのです。
(ちなみに、編集やプレミア投稿設定をせずにそのまま録画を投稿したとしても、「投稿しようと思う」だけの面白い体験にできたと考えられるのでOKかなと思います)
推しとして、推されたい時に推される仕組みを作る
「未プレイの視聴者がゲーム実況でネタバレを踏んでも、次回作を買って貰えば良いじゃないか」という主張もあるでしょう。
ですが、3D化に伴って制作コストが増大している3Dマダミスにおいて、このサイクルが正しいとは言えません。
実際、弊サークルは2020年から2023年までVRTRPG制作を行い、ゲーム実況の制限を一切つけず、作品を安価で提供していましたが、良い出来の作品を仕上げてもすぐに次回作を作らねばと焦るばかりの苦しい人生でした。
また、TRPGシナリオや小説は作家が変わらないことが普通ですが、コンピュータゲームは他にもプログラマ・3Dモデラー・音楽家・デザイナーなど関わる人が多く、次回作も同じ組み合わせであることの方が珍しいです。
「推しは推せる時に推せ」という言葉がありますが、「推しとして推されたい時に推される仕組みを作る」必要があるのです。
最後に
以上の考えから、本作のガイドラインでは「生放送を禁止する」ことにしました。
ゲーム実況者の自由を制限することにはなりますが、ゲーム制作者とゲーム実況者の相互利益を実現しつつ、ゲーム実況自体がより楽しくなるルールにしました。
皆様と一緒に、3Dマダミスの正しく楽しい文化作りができると幸いです。